前号までのあらすじ
幽霊が出ることで有名な島・ゴク・モン島。そこで入ってはいけない禁断の小屋に入って、「お祓いをしなければ、あと1年以内に死ぬぞ」と脅された綾香たち。お祓いはひとり100万円かかるのだとか。話しに不審を抱いたやみのすけときれねこは、綾香さんと一緒にとりあえず現地へ。禁断の小屋の扉を開けると・・・
出たぁ〜、幽霊だぁ〜!と思ったのもつかの間、やみのすけがゆーの。
「あのさあ、よく見てごらんよ、こんなの人形じゃん」。
そういって幽霊に向かってつかつか歩いていくやみのすけ。ほらね、なんていいながら幽霊をつつくとどさっと倒れた。
「ドアが閉まると自動的に明かりが消えて真っ暗になるんだろう。それと同時に、ここに仕掛けてあった人形が起き上がる仕組み。ほら見てよ、テープレコーダーまで仕掛けてある」。
え〜っと驚く私たち。いったい誰がこんなことを。
「あなたたちを脅かしてお金をせしめようと思ってるひとたちだよ」
「あの白いヒゲのおじいさんのこと?」
「ペンションのおじさんもあやしそうだぞ」
「そんなことないわ!二人ともとってもいいひとよ。それに私たち、本当に祟られたのよ。みんな変になってすごかったんだから」
「それは食事のあとだったよね。何食べたか覚えてる?」
「フランス料理のフルコースよ。きのことベーコンのサラダ、ひれ肉のステーキ、マッシュルームのスープ、オードブルは……」
「わかった、きのこだ。毒キノコだよ。ある種のきのこは、幻覚作用がでるんだ。“笑い茸”なんて言うきのこもあるんだよ。山にいけばとれるんだろう」
「私、ならなかったわ」
「あんまり食べなかったのでは?モデルさんだからダイエットしてたんでしょ」
「だけど私、物置に行ったつもりなのに、気がついたらここにいて、幽霊に脅されたんだわ、お祓いしないと死ぬぞって」
「ああ、その話ね。物置はどんなところだったの?」
「埃っぽくて…あとは覚えてないけど」
「じゃ、それだよ。綾香さん、花粉症だよね。ときどき鼻に点鼻薬さしてるじゃない。あの中に、クロロフォルムみたいな窒息性の麻酔薬が仕込まれていた可能性がある。自分で自分の鼻にクロロフォルム入れちゃったんだ」
「誰がそんなことを!」
「きみたちからお金を巻き上げたい人たちだよ」と同時に、扉が開いて……なんとあの白いヒゲのおじいさんとペンションのおじさんが入ってきたのです。うしろにはパンチパーマのおじさんが2〜3人……
「やいやい、何してやがる。おまえたち、呪われるぞ」
「呪われるのはお前たちの方だぞ」
なーんて啖呵切っちゃって、やみのすけってかっこい〜い。
「おまえたち、グルだな。こんな猿芝居でひとを騙してお金をとろうなんて」
「ちぇっ、この男、余計なことしやがって。このねーちゃんたちからカネがとれるとこだったのに!野郎ども、このにいちゃんを少し痛めつけてやんな」
そういうとパンチパーマの男たちがやみのすけに襲い掛かったぁ〜。なんて連中だ。これには日ごろおとなしいアタシもマジギレ、思わず、男たちの腕に噛み付いたぁ。
「い、いてえ、バケネコだ〜」
「アタシをバケネコとは、失礼な!!!」
そんなこんなで男たちは退散!あとでやみのすけに聞いたら、アタシ、マジでキレてたって。普段はキレイなのにねぇ。
「わかったでしょ、綾香さん。もうお金なんか払う必要ないですから」
「やみのすけさん、ありがとう。でも、私、あいつらマジで許せないです……」
「ウーン、じゃぁ、のろいちゃんに呪ってもらおう。呪い出願書送る?何枚かあるけど。」
「ちょうだい!!!」
「はい、じゃ、1枚100万円ね〜。まいどあり〜」
やいやい、やみのすけ、そりゃないだろ〜(by きれねこ)