遺産は誰の手に?妻と愛人の大バトルなのだ
第1話  犯人はどっち?妻vs愛人の巻

 どーもどーも。むかねこ番地でおなじみ、3匹そろってナンボだいっ!のおとも隊でーす。
恥ずかしがり屋のぽー、冷静で食いしん坊のぷよ、泣き虫のメソちん。よろしくです。
さてさて、今日、われら「JAM’S探偵事務所」にお客様が来ました。
相手はな〜んと、チョー有名な大富豪・綾小路家のオクサマ、綾小路フミコ様ではないですか。私たちオッタマゲましたヨ。
フミコオクサマって、ちょっと小太りで化粧が濃ゆいの。
ところがオクサマ、やみのすけの前に座るなり、急にシクシク泣き出したぁ。なんでも夫の綾小路由之助氏(58歳)に若い愛人が出来たんだって。しかも「遺産はぜーんぶ、愛人のルリ子にあげるのだ」なんて遺言状作っちゃったんだって!
わぁ〜、オクサンかわいそうだわ〜。
半年ほど前から由之助さんは病気で寝たきりになり、愛人のルリ子が屋敷に住み込んで、看護婦のように付き添うようになり、オクサン、近づくこともできないんだって。
「そして3日前、主人がランチの後、急に苦しみだし、そのまま意識不明になってしまったんです!ところが、主人の体からヒ素が発見されたんです……」。
ヒ素ってあの毒入りカレー事件とかのヒ素だよね。もう私たちビックリ。
「ルリ子よ。ルリ子がやったのよ。遺産が欲しくて殺そうとしたんだわ」
「ちょっとオクサン、落ち着いてくださいよぉ。第一、証拠はあるんですか?ルリ子さんが犯人だという」とやみのすけ探偵。さすがレイセイよね!
「いいえ、何も」
「じゃ、ダメでしょ、シッカリしてくださいよぉ」
「ところがね、タイヘンなことになっちゃったの。主人が死ねば遺産はぜーんぶルリ子のものですけど、意識不明でしょ。財産を管理する権利は後見人の私のものなんですの。それで財産とられたくなくて私が毒を入れて意識不明にしたんだってルリ子が言いまわっていて」
「ありゃま」
「私が疑われてるんですわ、警察に。探偵さん、助けて〜」
「って言われても……」
「かわいそうじゃん。やみのすけ。助けてやんなよ」
ともかくやみのすけとフミコさん、そしてわれらおとも隊ぽー、ぷよ、メソちんは屋敷に行くことにした。
「うわぁ、ひろーい」
庭は東京ドーム軽く3個分くらい(ちょっとオオゲサかな?)。門はピカピカ。
「コラ、おとも隊め、ホントは大富豪の家を見てみたかっただけだろ」とやみのすけ。
「ちがいますよぉ、オクサンを助けてあげたいからだよぉ。当たり前でしょ」
とそんなこんなで私たちは事件の調査をすることになりました。
妻vs愛人、犯人はどっちだ?本格派探偵物語のはじまりはじまり〜なのだ。