遺産は誰の手に?妻と愛人の大バトルなのだ
第3話  事件解決?!だけどナゾはまだいっぱいなのだぁ〜の巻

  どーもどーも。むかねこ番地でおなじみ、3匹そろってナンボだいっ!のおとも隊でーす。恥ずかしがり屋のぽー、冷静で食いしん坊のぷよ、泣き虫のメソちん。よろしくです。さてさて、今回の依頼人は、チョー有名な大富豪・綾小路家のオクサマ、綾小路フミコ様。ダンナさんの由之助さんには若い愛人ルリ子ができ、病気の由之助氏に付き添う毎日。そんなある日、昼ごはんの後、由之助さんが意識不明に。しかも身体からは微量のヒ素が!!由之助さんが死ねば遺産はルリ子さんのもの。でも意識不明なら、後見人である奥さんが遺産の管理者になり、事実上の財産権を持つ。犯人は最初から意識不明にすることを狙った妻なのか、それとも殺すつもりが量を間違えてしまった愛人のしわざか……それとも他の誰か?屋敷を調査するやみのすけ、修理に出されていたルネサンスの名画を見るなり急に叫んだ。「わかったぞぉ!!!」わかったって何がよぉ〜。

 「もうわかっちゃったなんて、やみのすけってすごいなー」とぽー。
 「それにしてもどこに行っちゃったんだ」とメソちん。
 「あ、こんなとこにいた。やみのすけったらもうっ!」とぷよ。
 「アタマん中、整理してたとこ」とやみのすけ。
 「で、何がわかったの?」
 「おとも隊、犬山警部に伝えてくれ、犯人がわかった。屋敷に来てくれって」
 「あのひとやだぁ〜。臭いんだもん」
 「いいからいけってば!!!」
 こうして犬山警部も引き連れ、皆でお屋敷に。早速、すでにやみのすけとルリ子さんそれにお医者さんの花岡清五郎さんがいました。
 「ルリ子さんってセクシーだよね〜」とぷよ。
 「ホント。やみのすけったら、デレデレしてない?」とメソちん。
 「ほんと、男ってなんでああなの?」とぽー。
 「ルリ子さんの色仕掛けにやられたのでは。ちょっと心配」とワタシたち。
 「ヤイ、やみのすけ。こんなとこに呼び出すな!オレは忙しいんだ」と警部。
 「犬山警部、犯人分かりました」。
 こうして、皆を一同に集め、やみのすけは謎解きを始めたのでございま〜す。
 「屋敷の中で、由之助さんに近づくことの出来る人間は3人です。奥さんのフミコさん、愛人のルリコさん、そして主治医の花岡清五郎さん。犯人はこの3人のうちの誰かだと考えてよいでしょう」
 「なんだとぉ。ワシが犯人だとでもいうのか」と怒る花岡清五郎氏。
 「いえいえ、可能性を言っただけです。花岡先生、落ち着いて」
 「そーよ、落ち着いてよね、ピヨ!」
 「だって先生には動機がないし……動機と言えば、やはりこのおふたりでしょう、フミコさんとルリコさん。特にルリコさん、あなたは由之助さんが死ねば莫大な遺産が手に入る。動機は十分にあります」
 「バカをおっしゃらないで、探偵さん。確かに遺産は手に入ります。でもいずれ私のものになるのです。なぜ殺害してまで急がなきゃならないの?バカバカしい」
 「フミコさんは、遺産書き換えは無効と裁判所に訴えていました。ルリ子さん、あなたとしては早くケリをつけたかったのでは?」
 「そんなことありえないわ、だって私は由之助さんを愛しているもの」
 「ウソおっしゃい!!」
 「フミコさん、あなただって疑われてしょうがないんです。だって莫大な遺産は愛人のものだと遺言を書き換えられてしまったんだから。由之助さんへの殺意は十分にあるはずだ。そしてあなたからすれば遺産を自分のものに戻す方法が一つだけある。そう、由之助さんに意識不明になってもらうことです。死んではいないから遺産はルリコさんに渡らないし、あなたは妻として遺産の後見人になりますから、事実上の権利を手に入れることが出来るわけだし」
 「まあ!なんてことを!!」
 「それで動機だけでいうなら可能性はふたつです。ルリコさんが殺害しようと毒を盛り、しかし致死量を見誤って意識不明になってしまったのか。あるいはフミコさんが元々、意識不明にさせることを目的に毒を盛ったのか」
 「意識不明にさせることを目的になんて、私にそんな難しいこと出来るわけないわ!!」
 「ごもっとも。それにね、一番肝心な問題が残ってるんですよ。由之助さんに盛られていたのはヒ素だ。でも誰がどうやってヒ素を手に入れたのか。おふたりともずっと屋敷にいるわけで、ヒ素なんて購入できない。JAM’Sの街のどこにも、ヒ素なんて売ってないし」
 「ほら、ごらんなさい。疑いが晴れたわ」
 「ヒ素を手に入れることが出来るのは、この中では医者の花岡先生です。医者だから、病院にあるでしょ」
 「ななななななんだって!!ワシが犯人だというのか。動機がないぞ、ワシには」
 「さよう。でもこう考えることもできる。瑠璃子さんかフミコさん、彼女のうちのどちらかがあなたをたぶらかし、ヒ素を病院から持ってこさせた」
 「ななななんだとぉ!!!ゴホゴホ」
 「ということはオマエが犯人のひとりなんだな、花岡清五郎!!!!どっちに頼まれたんだ、言え!」
 「といってもこれも仮説。私は花岡先生は無関係だと考えています。それに…私はこのお屋敷を見回していて、ヒ素を手に入れる方法がひとつだけあることに気づきました」
 そういってやみのすけはクルリと振り返ったのでした。
 「犯人はあなたですね、ルリコさん」
 ギョッとしてやみのすけを見るルリコさん。
 やみのすけ〜、どうしてなの?早く知りたいけど続きは次回なのだぁ。お楽しみに。